Mother マザー/パスカル・ロジェ監督
- 出版社/メーカー: アルバトロス
- 発売日: 2009/12/09
- メディア: DVD
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フランスのホラー映画。監督や作品についてはほとんど予備知識がなく、レンタルビデオ屋で衝動的に借りた。理由は、あらすじがいかにも当方好みのゴシックホラーだったから。「とんでもない屑だったらどうしよう」と不安を抱えながら見たら、残念ながらその不安は的中してしまい、「とんでもない屑」とまではいかないが、お世辞にも出来がいいとは言えない作品だった。
一にも二にも、その原因はストーリー展開にある。なにせ映像は素晴らしいのだから。
フレンチ・アルプス地方。私生児を妊娠した若いメイドは、閉鎖が決まった山奥の孤児院へと追いやられた。彼女が来て間もなく、大勢の子供達は去っていった。残ったのはこの孤児院で長く勤め上げた初老の女と、狂った若い娘。狂った娘は、この孤児院の出身で、どこにも行く当てがないので初老の女が引き取って面倒を見ているという。
館とも表現できるほどの大きな孤児院での、女三人での生活(しかも、一人は狂女)。だかほどなくして若いメイドは、異変に気付いた。この孤児院には自分達以外のなにかがいるのだと。かつて、この孤児院は大きな悲劇に見舞われていた。
出だしは完璧に近い。常に黒っぽい服装に体を包んだメイドと、いつも白衣を身にまとっている狂女の対比もきれいだし、屋敷や風景も見事。だがめりはりにかけた話の流れのおかげで、次第につまらなくなっていく。女優陣の迫力や、風景や館の美しさがなければ、最後まで見ていなかったことだろう。
おまけに、結末。
ミステリやホラー映画の結末で、「うまくない脚本でこれをやると、さらにつまらなくなる」という結末を見事にやってしまい、おかげでさらに評価が下がった。
全体的に冗長な印象が強い。オチはもちろんまずかった。映像の美しさは一流、話は三流の作品だった。