FAIRY TALE

ハンドルネームは八尾の猫です。耽美と翻訳ミステリが大好きです。旧ブログはhttp://d.hatena.ne.jp/hachibinoneko/、メールアドレスはaae22500@pop21.odn.ne.jpです。

ビジター/トッド・レヴィン監督

 やりたいことは分かる。すごく良く分かる。
 しかし、いかんせん、ラストに至るまでの道程が長すぎ、退屈過ぎ。
 実のことを言えば、途中で見るのをやめようと思ったぐらいだ。あの結末が待っていたので、我慢した甲斐があったとかろうじて言える。
 欠点の一つとして、ホラー映画に時折見られることだが、神秘性や不気味さを出そうとするあまり、画面を暗くし、結果として画面の中で起こっていることがひどく見辛くなり、かえって観客を苛立たせることがあるが、この『ビジター』もそれにあてはまる。
 郊外の広い一軒家で暮らす小説家のジョナサンと妻のアディー。ふたりは幼い息子を事故で亡くしたばかりで、悲しみから立ち直れずにいた。当然夫婦の関係もぎくしゃくしたものとなっている。
 ある夜、助けを求めてレイチェルと名乗る若い女性が飛び込んでくる、彼女が口にした言葉はおかしなものだった。ガスマスクをした男達に追われている、と。
 ジョナサンはレイチェルを信頼し、アディーは不信感を抱く。
 やがてレイチェルはガスマスクをした男達に連れ去られる。
 そして、夫婦の上にも危機が迫る。ガスマスクをした男達が夫婦の前に現れたのだ。
 中盤の物語をもっとしっかりと作って欲しかったが、眠気に耐えて最後まで見る価値は一応あり。