結婚は殺人の現場/エレイン・ヴィエッツ
- 作者: エレイン・ヴィエッツ,中村有希
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2012/04/11
- メディア: 文庫
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<ヘレンの崖っぷち転職記>シリーズ第四巻である。シリーズも、四作目ともなってくれば、ある程度パターンが決まってくる。すなわち
●逃亡者ヘレンは頻繁に職場を変えるが、そこで絶対殺人事件に巻き込まれる。
●ヘレンの住む<ザ・コロナード>の某室には、必ずちんけな詐欺師が引っ越してくる。
●ヘレンは、女難ならず男難の持ち主で、これまで元夫を含め、ロマンスの相手はすべてろくでなしという有り様だった。
もっとも最後の項目に関しては、前作『おかけになった犯行は』で、ある男性と直接顔を合わせたことが契機となり、ヘレンの男難は消えつつある。彼ともトラブルが起きないわけではないが、これまでのそれと比べれば、可愛いものである。「今度は、ヘレンはどんな屑男に引っ掛かるのかしら……」と期待、もとい心配していた身としては、安堵の溜め息をつくところである。
ちなみに、最初と二つ目の項目に関しては健在で、特に最初の項目に関しては、今回もきっちりとヘレンを悩ませている。なにせヘレンは、今度は殺人事件の容疑者にされてしまうのだから。
今度のヘレンの職場は、ブライダルサロン。わがままな花嫁や、もっとわがままな母親の花嫁に悩まされる毎日だ。そんな彼女達の中でも、「嫌な奴断トツナンバーワン」の女性キキ、もうすぐ結婚する娘デジレの母親が殺される。そして死体の第一発見者となったヘレンは、容疑者となってしまう。と、ある事情を抱えて逃亡者となったヘレンは、過去が暴かれるのではないかと心配しながら、調査に乗り出す。
歪んだ母娘関係が山のように出てくるミステリ。さて、ヘレンがもっとも手強い敵たる実母と正面きって戦うのはいつの日となるのか。あとは……次回作は職場が職場だけに、動物虐待の話が出てこないといいな。
- 作者: エレインヴィエッツ,Elaine Viets,中村有希
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2008/12
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