スパイダーZ/霞流一
- 作者: 霞流一
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2011/10/06
- メディア: 新書
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ピポーッ!
「コロンボ×ブルース・リー×ダークナイト」という警察小説である。
なにを書けばネタバレにならずに済むか、思わず頭を抱えてしまう類のミステリである。
唐雲蓮斗は、北中野署の捜査員で、階級は巡査部長だ。彼は刑事であるにも関わらず、「正義」について独自の考えを持っており、身体を鍛えたり、独特の道具を発明している(ダークナイト?)。
彼は警察という組織の一員でありながら、その卓越した知能で犯人を特定し、追い詰める。そして犯人に、彼の「正義」からはみ出す部分があれば、逮捕する以外の方法で犯人を罰する。同情できない共犯者がいるならば、同じような方法で彼らも罰する。この罰するときに、アクション・シーンが描かれる(ブルース・リー?)
そして、当然ながら、唐雲の「逮捕以外の犯人の罰し方」は、周囲の捜査員の不信感を呼ぶ。そして唐雲は周囲の捜査員達の目を眩ますため、事件を捜査するように見せかけつつ、様々な細工をほどこしていくのだ(ここはコロンボか)
読んでいてびっくりしたのは、あまりにも凄い結末。これはシリーズものとなり、唐雲とあの登場人物との対決が続くのかな、と思っていたら「一度唐雲に目を付けられたものは、唐雲の偽装を見抜いても殺され、唐雲の偽装を見抜かなかったら、能無しとして殺されるという鬼畜っぷり」。思わずのけぞった。
現在のところ、作者きっての異色作。
ピポーッ。