世界の終わり/ジョン・カーペンター監督
- 出版社/メーカー: 角川エンタテインメント
- 発売日: 2007/05/25
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ホラー映画で名のある監督達を集め、それぞれ一時間ほど映画を撮らせた「マスターズ・オブ・ホラー」の一つ。
むちゃくちゃ面白かった。と、ともにとてもグロテスクだった。スプラッター映画に耐性がない人は、まず見ない方が無難である。
細々と映画館を営む主人公の元に、大富豪の映画コレクターから奇妙な依頼が持ち込まれる。それは伝説の映画『世界の終わり』を探して欲しいということ。この映画を上映した映画館では必ず暴動が起き、流血がもたらされる。そしてこの映画を見た人間は、決してそれまでとは同じ人間ではいられなくなる。必ず破滅か狂気かもしくは死が訪れるのだ。
映画館の経営は苦しく、恋人の父親に借金を負っているため……当の恋人である女性はすでに自害している……話に飛びついた。いや金銭ばかりではない、映画愛好家の彼の心を疼かせるなにかがあった。彼はまだ『世界の終わり』を見たことがない。
映画を追う旅は、そのまま陰惨極まりない暴力と滅びの旅となった。
明暗は全然違うのだが、「人々が追い求める幻の名作」テーマとして、恩田陸『三月は深き紅の淵を』をふと思い出した。恩田陸が読書を愛しているように、ジョン・カーペンターは骨の髄から映画に取り憑かれているんだなあ、と思った(いや、内容は**の拷問だが)
これほど面白いならば、他の作品群にも期待が持てる。時間をかけて「マスターズ・オブ・ホラー」を見てみようかと考えた。
傑作。