FAIRY TALE

ハンドルネームは八尾の猫です。耽美と翻訳ミステリが大好きです。旧ブログはhttp://d.hatena.ne.jp/hachibinoneko/、メールアドレスはaae22500@pop21.odn.ne.jpです。

吊るされた女/キャロル・オコンネル

吊るされた女 (創元推理文庫)

吊るされた女 (創元推理文庫)

 マロリー・シリーズ第六作。シリーズ最高傑作『魔術師の夜』には及ばないものの、この作者、このシリーズの平均的な出来栄え。ちなみにこの作者の平均点は結構高い。ヒロインを含め、登場人物に思い入れがあるならばなおさら評価は高くなるだろう。
 ヒロイン、マロリーの相棒たるライカーが、情報屋として使っていた娼婦が殺された。美しい金髪を切られ、口に詰め込められ、肉体を吊るされて。その娼婦スパローは、マロリーがストリートチルドレンだった頃に多少の関わりがあった娼婦だった。そして、金髪の女性殺しは続き、マロリー達は殺人鬼を追う。
 相変わらず地の文、登場人物達の心の声や台詞(ということは、作者の声だ)で全編に渡って「マロリー賛歌」が漂っているが、どうにか読めるのは作者の力量のためだろう。もっともこの「マロリー賛歌」ゆえ、このシリーズはまったく受け付けないという人がいても、まったく不思議ではない。
 特筆するところはあまりないのだが、前述の通り、そこそこ面白かった。

魔術師の夜 上 (創元推理文庫)

魔術師の夜 上 (創元推理文庫)

魔術師の夜 下 (創元推理文庫)

魔術師の夜 下 (創元推理文庫)

↑シリーズ最高傑作