FAIRY TALE

ハンドルネームは八尾の猫です。耽美と翻訳ミステリが大好きです。旧ブログはhttp://d.hatena.ne.jp/hachibinoneko/、メールアドレスはaae22500@pop21.odn.ne.jpです。

あなたに恋すればこそ/トレイシー・アン・ウォレン

あなたに恋すればこそ (二見文庫 ザ・ミステリ・コレクション)

あなたに恋すればこそ (二見文庫 ザ・ミステリ・コレクション)

 「バイロン家」シリーズ三作目。二作目の『ふたりきりの花園で』はなかなか面白かったのだが、一作目の『その夢からさめても』同様、ヒロインが要らないことをして周囲の足を引っ張ったため、減点の対象となった。
 トレイシー・アン・ウォレンは、『あやまちは愛』と『愛といつわりの誓い』の「トラップ三部作」の既刊はどちらも傑作だったのに、シリーズごとに出来不出来の差がとても激しいという不思議な作家だ。
 伯爵令嬢クレアには、生まれた瞬間からクライボーン公爵エドワードという婚約者がいた。クレアは少女時代、エドワードに盲目的に恋をしていたが、「クレアとの結婚はただの義務」というエドワードの言葉を立ち聞きして以来、失望と哀しみを感じていた。
 やがて二人の結婚の日が迫ったとき、クレアは「これは本当の愛に基づいた結婚ではない」と思い、破談にしようと、ありとあらゆる突飛な言動をしでかすが、それすらエドワードは新鮮な魅力と映ってしまう。そう、エドワードはかつて自分が「クレアとの結婚はただの義務」と言ったことなど、さっぱり忘れていたのだ。
 だんだん出来栄えが微妙になりはじめたシリーズ。

その夢からさめても (二見文庫 ザ・ミステリ・コレクション)

その夢からさめても (二見文庫 ザ・ミステリ・コレクション)

ふたりきりの花園で (二見文庫 ザ・ミステリ・コレクション)

ふたりきりの花園で (二見文庫 ザ・ミステリ・コレクション)

↑「バイロン家」シリーズ。ヒロインが時折要らないことをするのがマイナス点。
あやまちは愛 (二見文庫 ウ 6-1 ザ・ミステリ・コレクション)

あやまちは愛 (二見文庫 ウ 6-1 ザ・ミステリ・コレクション)

愛といつわりの誓い (二見文庫 ザ・ミステリ・コレクション)

愛といつわりの誓い (二見文庫 ザ・ミステリ・コレクション)

↑「トラップ三部作」。傑作。シリーズ最終巻の邦訳が待たれる。