ロスト・アイズ/ギリェム・モラレス監督
- 出版社/メーカー: SHOCHIKU Co.,Ltd.(SH)(D)
- 発売日: 2011/11/11
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名匠ギレルモ・デル・トロ監督が製作に関わっているわりには今一つ、いや今ふたつほど足らないものがあるスペイン映画。映像は美しく、序盤はすごく面白そうで、ホラーとして終わるのか、ミステリとして着地するか、どきどきするが、真相を知ると「これで終わり?」と感じてしまう。
少しずつ視力を失っていく病に冒されている女性フリア。彼女の双子の姉、同じ病に冒されており、完全に失明していたサラが自殺した。夫のイサクと姉の家に駆け付け、愕然とするフリア。しかしその死に不審なものを感じたフリアは、イサクの反対を押し切り、調査を始める。サラには恋人がいたらしいのだが、それがどんな男性だったのか、誰も知らず、顔さえ分からないのだ。
やがてフリアも病と、謎めいた男の影とそのつきまといに悩まされることになる。
ところどころ面白い部分はある。フリアが手術を受け、目に包帯を巻いていたとき、フリアとサラに関わる重要人物複数の顔が闇に隠れて見えない様子や、ある人物が「なぜこんな思い込みをするようになったのか」が明かされるシーンや、クライマックスでの真っ暗闇とそれ以外の光景が代わる代わる映し出される演出はとてもいい。
だが長いわりに、真相がややしょぼい。
監督はまだ長編二作目の新鋭ということなので、今後に期待といったところ。
光る部分はあるので、独自の雰囲気を持つホラー映画、サスペンス映画を撮ることができそうだ。