放蕩貴族のレッスン/サブリナ・ジェフリーズ
- 作者: サブリナ・ジェフリーズ,上中 京
- 出版社/メーカー: 扶桑社
- 発売日: 2011/09/29
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『淑女たちの修養学校』シリーズ四作目である。訳者があとがきで指摘しているよう、ヒロインが初めて生徒ではなく、女性教師である(当方は、早く校長兼経営者にして未亡人シャーロットと、彼女の謎の後継者のロマンスが読みたいのだが、きっとシリーズ最終巻になるんだろうな)。
鬱病を持つ元医師の父親を持ち、自身は自然科学を専門に学んだ教師マデリン。放蕩者ノーコート子爵アンソニーが姪のテッサを修養学校に入れようとし、アンソニー自身のあまりの素行さから、校長シャーロットが難儀を示したのを、必死にかばったのはマデリンだった。マデリンには、アンソニーに近付きたい理由があったのだ。
マデリンの父、プレスコット医師は優しく誠実な医師だったが、ある患者を救おうと新しい治療法を試みたところ、助けることはできず、結局死なせることとなってしまった。
患者の家族やプレスコット父娘を良からぬ感情を持つ人々から責め立てられ、医師は自責の念から極度の鬱状態へと陥った。果たして父の医療はミスだったのか、そうではなかったのか。アンソニーに近付けば、上流社会にも近付くことができ、高名な化学者にも会って真偽を確かめることが出る。このことは、むろんアンソニーは内緒だ。
一方、アンソニーは姪の入学と引き換えに、奇妙な授業を持たされ、閉口していた。それは「放蕩者のレッスン」……放蕩者と紳士の見分け方、放蕩者のアプローチの洗練された交わし方、放蕩者は女の子を口説くためならこんなテクニックを使ってくる!……などなど、年端もいかない少女達に教え込むことになったのだ。
マデリンの境遇や、アンソニーの虐待された過去(アンソニーは姪を虐待から守るため、親族から引き離し、学校へと入れようとした)。
この二人の境遇のため、シリーズものの中の一冊としては、ややシリアスな傾向が強い。
シリーズの長編ものの第五作は、生徒にして軍人の娘ルーシーがヒロインで、ヒーローは意外な人物とのこと。誰だろう?
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