FAIRY TALE

ハンドルネームは八尾の猫です。耽美と翻訳ミステリが大好きです。旧ブログはhttp://d.hatena.ne.jp/hachibinoneko/、メールアドレスはaae22500@pop21.odn.ne.jpです。

ルームサービスは突然に/エイミー・ガーヴェイ

ルームサービスは突然に (フローラブックス ガ 1-1)

ルームサービスは突然に (フローラブックス ガ 1-1)

 初めて読む作家。良質のハリウッド産ラブコメディのようなロマンス小説だ。久しぶりに読んだコンテンポラリー(現代もの)だったが、当たりだった。
 ニューヨークの真ん中に、築百年を誇る<カレンダー・ホテル>がある。かつては有名人の宿泊も多く、栄華を極めたものだが、現在ははっきり言って落魄寸前だ。しかし、経営者の若い女性オリビアは、ここで生まれ育ったこともあり、このホテルの古風さを愛していた。長期宿泊客や従業員は個性的な人間ばかりで、そこも気に入っている。
 やがて、このホテルに、その美青年ぶりと料理の腕前で知られるシェフのリースがやってくる。オリビアとリースは恋に落ち、オリビアはなにものかの妨害に遭いつつも従業員や客の力を借りつつホテル再興に乗り出し、リースはオリビアの面影を胸に料理コンテストに臨むのだった。
 典型的なラブストーリー&サクセスストーリーだが、ヒロイン像やヒーロー像に嫌味がなく、彼らを含めた登場人物達の会話も洒脱で、楽しく読める。
 「エイミー・ガーウェイ、他に著作が翻訳されてないかな」と調べたところ、ヴィレッジブックスから出版されている『キス・キス・キス サプライズパーティの夜に』の短編が一つ収録されているだけらしい。もっと翻訳されてほしい作家が一人増えた。

キス・キス・キス サプライズパーティの夜に (ヴィレッジブックス)

キス・キス・キス サプライズパーティの夜に (ヴィレッジブックス)

  • 作者: シャノン・マッケナ,エイミー・ガーヴェイ,ナンシー・ウォレン,鈴木美朋,石原未奈子,松井里弥
  • 出版社/メーカー: ヴィレッジブックス
  • 発売日: 2008/07/19
  • メディア: 文庫
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