FAIRY TALE

ハンドルネームは八尾の猫です。耽美と翻訳ミステリが大好きです。旧ブログはhttp://d.hatena.ne.jp/hachibinoneko/、メールアドレスはaae22500@pop21.odn.ne.jpです。

黄昏にほほを寄せて/リサ・クレイパス

黄昏にほほを寄せて ((ライムブックス))

黄昏にほほを寄せて ((ライムブックス))

 ハサウェイ・シリーズの第三作。てっきりシリーズ第三巻は、長男レオと姉妹のお目付け役キャサリンのロマンスになるかと思っていたが、予測は外れていた。
 変人だらけのハサウェイ家の面々の中で、唯一平凡な結婚生活を望む三女ポピー。しかし彼女が知り合い、恋に落ちたのは、謎めいていて、遺志が強くて、欲しいものを手にするためならば手段を選ばない一面を持つ、ラトレッジ・ホテルの経営者、ハリー・ラトレッジだった。
 二人は恋に落ちるものの、明るく素直なポピーと、性格に暗い部分を持つハリーとは、すんなりとうまくいかないのだった。
 リサ・クレイパスの標準的な出来栄えの作品、ということは、実力のある彼女のこと、そこそこの秀作という意味である。
 ただ、一つ気になったことがある。ハサウェイ・シリーズが男女のロマンスだけではなく、「きょうだい愛」も書きたいシリーズであることは分かっている。しかしながら、今回のあの人とあの人と関係については、ちょっとやり過ぎではないだろうか。シリーズ第二作『夜明けの色を紡いで』でも、「彼ら」の意外な関係が発覚したばかりにも関わらず、立て続けにこれでは、興ざめである。
 ひょっとして、シリーズの次回の作品でも意外な関係が発覚するのだろうか。

夜明けの色を紡いで (ライムブックス)

夜明けの色を紡いで (ライムブックス)