わたしは目撃者／ダリオ・アルジェント監督

わたしは目撃者 デジタルニューマスター [DVD]

　以前に見たはずなのに、内容をなに一つ覚えていなかった。改めて見て、「覚えていないのも無理がない」という感想を抱いた作品だった。なんらの証拠もないが、二ヶ月すれば当方はまたなにもかも忘れているはずである。
　火曜サスペンス劇場と言おうか、土曜ワイド劇場と言おうか、ええとどちらの名称も間違っているかもしれないが、実に「二時間サスペンス」的な映画である。連続して起きる殺人事件（結構なペースで容疑者が殺されていくのだが、調査している主役達も、捜査している警察もなに一つ止められない）、適度なギャグとお色気、最後の最後で発揮される主役の青年の無駄なアクションと、誰でもいい犯人と、とってつけたようなエンディング、それらすべてを備えた映画である。
　幼い姪と暮らす盲目の元新聞記者の男は、偶然ある言い争いを耳にする。そして、それはある研究所と、その研究所を巡る連続殺人事件の発端だった。彼は現役新聞記者の青年と調査に乗り出す。
　『歓びの毒牙』と『4匹の蝿』の間に挟まれた初期三部作の一つだが、良くも悪くも個性に欠けるため、記憶に残らないようだ。
　ダリオ・アルジェント監督のファンしか見なくていい作品で、ダリオ・アルジェント監督のファンだという人にもあまり自信を持ってお勧めできない作品。

歓びの毒牙 デジタル・ニューマスター [DVD]

4匹の蝿 [DVD]