FAIRY TALE

ハンドルネームは八尾の猫です。耽美と翻訳ミステリが大好きです。旧ブログはhttp://d.hatena.ne.jp/hachibinoneko/、メールアドレスはaae22500@pop21.odn.ne.jpです。

あの空に架ける橋/スーザン・エリザベス・フィリップス

あの空に架ける橋〈上〉 (MIRA文庫)

あの空に架ける橋〈上〉 (MIRA文庫)

  • 作者: スーザン・エリザベスフィリップス,Susan Elizabeth Phillips,皆川孝子
  • 出版社/メーカー: ハーレクイン
  • 発売日: 2008/06/15
  • メディア: 文庫
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あの空に架ける橋〈下〉 (MIRA文庫)

あの空に架ける橋〈下〉 (MIRA文庫)

 現代ものでも、ヒストリカルでも、「長いページ数をかけて一人の女性の半生(しかも波瀾万丈のそれ)を追う」タイプの作品がうまい作家である。以前に読んだヒストリカル『愛はジャスミンの香り』も面白かったが、現代もののこの作品もとても良かった。
 幼くして母を失い、伯父夫妻の家庭で育ったハニー・ジェイン・ムーン。伯父の経営している……もっとも伯父夫妻はほとんど生活力がないので、切り回していたのはティンエイジャーのハニーだった……遊園地が危機になったとき、ハニーは打開策として、美人の従姉シャンタルを女優としてデビューさせ、金銭を得ることを考え付いた。だが実際にハリウッドに行ったとき、憧れのベテラン男優ダッシュから女優にならないかと誘われたのは、シャンタルではなくハニーだった。
 ハニーはテレビドラマでダッシュの娘を演じ、瞬く間にスターの階段を駆け上がった。
 しかし、それはそののちのすべての幸福を意味したわけではなかった。ハニーのお気に入りのコースター、ブラックサンダーが上がったり下がったりするよう、ハニーの人生も良くなったり悪くなったりする。ダッシュや若く美しい人気俳優エリックなど、知り合うすべての人々に影響を与えたり与えられたりしながら。
 児童虐待など読んでいて苦しい場面もあるが、華やかなでドラマティックで力強い一作。
 

愛はジャスミンの香り (MIRA文庫 SP 1-1)

愛はジャスミンの香り (MIRA文庫 SP 1-1)

  • 作者: スーザン・エリザベス・フィリップス,細郷妙子
  • 出版社/メーカー: ハーパーコリンズ・ジャパン
  • 発売日: 2007/10
  • メディア: 文庫
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