バタリアン／ダン・オバノン監督

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　脱力感と、背筋がひんやりとする感じ、双方を与えてくれる映画。面白いことは面白いが、当方としてはゾンビが無線を初めとして、道具を自在に使いこなしていることに違和感を覚える。奴らは、知性と理性なき化け物だからいいと思うのだが。
　アメリカ合衆国ケンタッキー州。医療会社のアルバイト、フレディーは、先輩から会社の倉庫にゾンビが保管されていることを教えられる。軍がミスでこちらに送ってきたのだ（なんでよ）。早速見に行く二人。そしてお約束通り、ゾンビを復活させてしまう。
　するとゾンビを覆っていた物質こそが、ゾンビ化を促すガスだったので、標本化された蝶から、スライス化され、やはり標本化されている犬まで、ゾンビとして復活して動き出す（だから、なんでよ）。慌てて社長に連絡する二人だが、「軍や政府にばれると、会社を潰されるから」という理由で、知り合いのやっている火葬場にゾンビを持ちこむこととする。そして、ゾンビ騒動は、フレディに会いにきた友人グループを巻き込み、拡大していくのだ。
　冒頭で、すでにつっこみどころは一つや二つではない。しかし、この能天気な幕開けだからこそ、ラストのシニカルさには寒気がする。
　総じてなかなか楽しいゾンビ映画だった。
　「バタリアン」シリーズの第一作で、幾つも続編が存在する。
　ジョージ・Ａ・ロメロ監督『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』のパロディ的作品とのことだが、残念ながらこちらを見たことがない。しかし、面白そうだから、頭の中にある「将来見るホラー映画リスト」にメモに付け加える。

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