RED/レッド /ロベルト・シュヴェンケ監督
久しぶりに映画館で見たアクション&コメディ映画。
見ていて、退屈はしなかった。ジョン・マルコヴィッチ絡みでは、ところとごろ笑いが漏れた。
当方がしばらく目にしない間に、ブルース・ウィルスの頭髪が……いや、なんでもないです。
ウィキペディアによれば、同名のグラフィックノベルが原作とのことだが、このグラフィックノベルは日本の漫画に相当するものと考えていいのだろうか。
だとすれば、自由奔放なストーリー展開や醸し出されるユーモアという良き意味でも、あまりにも非現実的でご都合主義というマイナスの意味でも、いかにも漫画的な作品である。
かつてはCIAの凄腕スパイ、現在は年を食ったため引退して年金生活を送っているフランク。ある日、突然暗殺者に襲われた彼は、恋する女性を攫い、逃亡する。相手の女の名前はメアリー。保険会社の年金係に勤務し、まっとうな生活を送るごく普通の女性だ。ただフランクにひどく気に入られ、電話で何度も話していたのが運のつきだった。フランクを狙う相手は、フランクがメアリーに恋していることに気付いている。だから次に狙われるのはメアリーだ。だから一緒に逃げるしかない。むろんメアリーにとっては、なんとかして逃げ出したい、迷惑そのものの行為だったが。
「一見弱者(この場合、老人)に見えるが、実は最強」
「それぞれ個性的な力を持つ仲間が、カリスマ的リーダーの元へと集結する」
「美女とのロマンス」
「互いを理解した敵が味方になる」
など、エンターテイメントの王道をいく作品で、この種の映画を見なれていない身ではあるものの、アクションシーンは迫力あるように感じられた。
白いドレスをまとい、いかにも貴婦人然としたヴィクトリア(演じるはヘレン・ミレン!)が銃をぶっ放す、そのかっこよさよ。フランクとメアリーのロマンスも良かったが、ヴィクトリアが作中でメアリーに話すロマンス、そしてその真相、そののちの成り行きも良かった。
総じて退屈とは無縁の映画だった。