ウルフマン/ジョー・ジョンストン監督
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出だしは好調、
「これはいいゴシックホラー」
と内心で喜んでいたら、最後はアクション映画調やメロドラマ調になってしまった。残念。しかしながら、この古色蒼然とした雰囲気や、深い霧や陰鬱な森や寂れたような館の美しさは現代では貴重なものである。せめてクライマックスの肉弾戦がなければ、もっと良かったのだが。
十九世紀英国。人気舞台俳優ローレンス・タルボットは、兄ベンの失踪の知らせを、ベンの美しき婚約者グエンから知らされた。何年かぶりに、ブラックモーアの土地を踏んだローレンスは、確執ある父ジョンと再会し、ベンの亡骸が見つかったと教えられる。実際に目にしたベンの死体は、世にも無残なものだった。
満月の夜に、ベンを、そしてこの土地の人々を惨殺したなにものかの正体を突き止めるため、調査を始めるローレンス。だが、そのなにものか……狼男だった……に襲われた彼は、自分自身狼男に変身する宿命を負うこととなる。卓越した身体能力に、血に飢えた凶暴な魂……彼は満月の夜には、ローレンスとしての人格や理性を失い、獣そのものに変身してしまうのだ。やがてローレンスはつまはじきにされ、村人や警察官に追い詰められていく。
こちらは未見だが、ジョージ・ワグナー監督『狼男』のリメイクでいいのかな。敵か味方かさっぱり分からない父親ジョン・タルボット卿演じるアンソニー・ホプキンスの迫力が、若い男優女優の存在感を食っている。
実にクラシカルだが、そこがいい。もっとこういうホラー映画が作られてくれ!
最後になるが、あの人も宿命を負ってしまったのだろうか。
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