FAIRY TALE

ハンドルネームは八尾の猫です。耽美と翻訳ミステリが大好きです。旧ブログはhttp://d.hatena.ne.jp/hachibinoneko/、メールアドレスはaae22500@pop21.odn.ne.jpです。

夜風はひそやかに/ジャッキー・ダレサンドロ

夜風はひそやかに (二見文庫 ダ 1-1 ザ・ミステリ・コレクション)

夜風はひそやかに (二見文庫 ダ 1-1 ザ・ミステリ・コレクション)

 イギリスはリジェンシー(一八一一〜一八二〇)時代を舞台にした、ヒストリカルロマンス。
 眼鏡をかけた二十六歳のオールドミスのヒロインのサラは、仲の良い女友達と秘密の読書倶楽部を立ち上げ、メアリー・シェリー『フランケンシュタイン』にいたく感銘を受け、「自分達も理想の男性(の彫像)」を作りだそうとやっきになる。一方、ヒーローのマシューは美貌と爵位を持ち合わせたロマンス小説の理想の男性像、のはずだか、自宅の庭園に絡んである秘密を抱え込んでいた。
 惹かれ合う二人だが、サラと友人達の理想の男性の創造、またマシューの秘密が互いに誤解を呼び、恋物語は一筋縄ではいかなくなる。
 『赤い薔薇を天使に』に良かったが、これもそこそこ面白かった。この二冊で頭の中に、ジャッキー・ダレサンドロの名前がしっかりとインプットされた。まだ何冊も邦訳とのこと、嬉しい。他の作品では、本書でサラとともに読書倶楽部を立ち上げた面々が、それぞれヒロインとなるらしい。

赤い薔薇を天使に (ラズベリーブックス)

赤い薔薇を天使に (ラズベリーブックス)