愛といつわりの誓い/トレイシー・アン・ウォレン
愛といつわりの誓い (二見文庫 ザ・ミステリ・コレクション)
- 作者: トレイシー・アン・ウォレン,久野郁子
- 出版社/メーカー: 二見書房
- 発売日: 2008/05/20
- メディア: 文庫
- この商品を含むブログ (3件) を見る
『あやまちは愛』に続く「トラップ三部作」のシリーズ第二作だが、間違えて二巻である本書から手に取ってしまった。ヒロインは第一作目のヒロインの双子の姉で、『あやまちは愛』での出来事が絡んでくるが、この作品から読み始めても問題はない。
ヒロインのジーネットは『風と共に去りぬ』のスカーレット・オハラ型の美女で、とにかく勝ち気でわがままである。ヒロインがこういった性格の場合、バランスを取るように相手の男性が大人しくて物静か、であることは滅多になく、この作品のヒーロー、ダラーも個性の強い性格で、二人が最後の最後まで延々と意地の張り合いを演じることとなる。
十九世紀初め。イングランドの伯爵家令嬢ジーネットは、双子の妹を身代りに、自分が花嫁となるはずだった結婚式から逃げ出し、別の男と駆け落ちした。しかしその男には捨てられ、怒り狂った両親にどうしようもない田舎(と当人には思われた)であるアイルランドの親戚に預けられる羽目となった。
退屈な日々。だがジーネットは建築家ダラーと知り合い、不本意にも相手に惹かれ、そしておかしな成り行きで結婚することとなる。
ダラーを才能あるが、貧しい庶民の建築家だと思い込んでいたジーネットは知らなかった。ダラーがアイルランドの名門マルホランド家の伯爵で、一度は落ちぶれた実家を、己の才能だけを頼りに再興させた、富も爵位もある貴族であることに。
ダラーが自分の身分を告白できないまま、二人の波乱だらけの結婚生活は幕を開ける。
ヒーローはヒロインに振り回され、ヒロインはヒーローに振り回される、そんなおかしくて面白いヒストリカルロマンス。初めて読む作家だが、とても素敵だった。のちに改心するとはいえ、わがまま放題で強気なヒロインに耐えられるなら、ぜひ。
あやまちは愛 (二見文庫 ウ 6-1 ザ・ミステリ・コレクション)
- 作者: トレイシー・アン・ウォレン,久野郁子
- 出版社/メーカー: 二見書房
- 発売日: 2007/06/25
- メディア: 文庫
- 購入: 1人 クリック: 2回
- この商品を含むブログ (6件) を見る