FAIRY TALE

ハンドルネームは八尾の猫です。耽美と翻訳ミステリが大好きです。旧ブログはhttp://d.hatena.ne.jp/hachibinoneko/、メールアドレスはaae22500@pop21.odn.ne.jpです。

呪怨2/清水崇監督

 劇場版『呪怨』の第二作。
 佐伯伽椰子と俊雄。この母親と息子の悪霊には、因果応報の四文字はほとんど当てはまらない。生前のこの二人の悲惨な運命に関与したものだけではない、彼らが住んでいた家、そして彼らの存在に関わったもの(ハリウッド版の続編だとこの法則すら当てはまらないので怖い)すべてが極限の恐怖とともに生命を失う。
 今回は、見るものの、
 「やーめーてーおーけ」
 という突っ込みをよそに、テレビリポーターの一行が住むもののいない佐伯家を取材、例によって例のごとく殺されていく。
 傑作の続編は大抵つまらないというのが定説だが、これは結構面白かった。少なくともリポーターの朋香の章あたりまではなかなか怖かったし、そこを過ぎてからも、ところどころに光る場面が見られた。が、ラスト近くにはホラー的演出がギャグが近付いていき、つまらないホラー映画がよくやるオチをやってしまった。このエンディングのため、「いかにもヒット作のパート2」という印象を与えるようになってしまった。残念。
 美点を上げると、時間軸の使い方がうまい。ここは、ビデオ版『呪怨』の第一作に勝るとも劣らない。朋香の章、あの時間と音の理由にはぞっとした。時間軸ばかりではない、ホラー・クイーンの異名を取る女優、京子の章の母親の使い方もうまい。
 というわけで、ラスト以外はなかなかの楽しめる一作。
 ちなみに主演は酒井法子