呪怨 白い老女/三宅隆太監督
- 出版社/メーカー: TOEI COMPANY,LTD.(TOE)(D)
- 発売日: 2009/08/07
- メディア: DVD
- クリック: 54回
- この商品を含むブログ (15件) を見る
失礼な言い方かもしれないが、予想していたよりも随分と上出来だった。佐伯伽椰子と俊雄がほとんど顔を出さない(俊雄がワンシーン出てきたぐらい?)だが、きちんと面白いし、怖い。
司法試験に落ち続けている男が、父を、継母を、妹を、幼い姪を、そして痴呆の祖母を惨殺し、みずからも首を吊って死んだ。この男、姪に性的虐待を働いていたのだが、その事実を知っているのは祖母と、姪の親友のみだった。だが祖母は痴呆ゆえ、親友は幼さゆえになにもできなかった。惨劇から七年経ったのち、高校生になった親友の前に、死んだ友と思しきなにかが現れる。
まあ、『呪怨』のくせにぬるい。七年後のパートの必要性があまりない(いい話風にまとまってしまっているし)今までならば、成長した親友も……されているに違いないと思うのだが、そこは伽椰子さんが出ないゆえか。
対照的に、ケーキ配達のアルバイトの青年が巻き込まれる惨劇はいかにも『呪怨』風である。本人は悪をなすことなく、誰かに害意を抱くことないのに、ただひたすら「関わってしまった」という理由のみで破滅する。
冒頭、彼が聞くこととなる、「ちょっと待ってくださいね。いま手が離せませんから」という台詞が怖い。なぜ怖いのかは、見てのお楽しみ。ここと、淡々としているところがかえって恐怖心をそそる一家惨殺の場面が白眉。
これはいいホラー映画。『呪怨 黒い少女』も楽しみ。