唄う海賊団/シャーロット・マクラウド
- 作者: シャーロットマクラウド,Charlotte MacLeod,浅羽莢子
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 1992/10
- メディア: 文庫
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シリーズ第六作。マックスは出張のためほとんど出演せず、事実上セーラが単独で主役を勤めている。セーラは結婚したものの、実家であるボストンの旧家ケリング家との縁は切れなかった。
ケリング家にはありとあらゆる傑物と変人が揃っている。その中でも、セーラの伯母エマは魅惑的な女傑だ。熟年の現在でも、彼女を慕う男性にはことかかない。セーラ自身も伯母が大好きだった。
このエマ、プレザンス海賊団なる劇団を率い、ギルバート&サリヴァンの公演(今年は「魔法使い」)をやるのだが、珍事が続発した。火災は起こる、盗難は起こる、やがて人死にさえ起こる。俳優の一人が亡くなったのだが、これは事故?それとも殺人?スタッフとして参加したセーラが謎を解く。
数多い劇団員が事件関係者だけあり、犯人の名前があかされたときも、「そんな人いたっけ」と思わず登場人物一覧を見直してしまった。本格ミステリファンには向かずとも、コージーミステリのファンならば大喜びの華やかで楽しい一冊。