FAIRY TALE

ハンドルネームは八尾の猫です。耽美と翻訳ミステリが大好きです。旧ブログはhttp://d.hatena.ne.jp/hachibinoneko/、メールアドレスはaae22500@pop21.odn.ne.jpです。

唄う海賊団/シャーロット・マクラウド

唄う海賊団 (創元推理文庫)

唄う海賊団 (創元推理文庫)

 シリーズ第六作。マックスは出張のためほとんど出演せず、事実上セーラが単独で主役を勤めている。セーラは結婚したものの、実家であるボストンの旧家ケリング家との縁は切れなかった。
 ケリング家にはありとあらゆる傑物と変人が揃っている。その中でも、セーラの伯母エマは魅惑的な女傑だ。熟年の現在でも、彼女を慕う男性にはことかかない。セーラ自身も伯母が大好きだった。
 このエマ、プレザンス海賊団なる劇団を率い、ギルバート&サリヴァンの公演(今年は「魔法使い」)をやるのだが、珍事が続発した。火災は起こる、盗難は起こる、やがて人死にさえ起こる。俳優の一人が亡くなったのだが、これは事故?それとも殺人?スタッフとして参加したセーラが謎を解く。
数多い劇団員が事件関係者だけあり、犯人の名前があかされたときも、「そんな人いたっけ」と思わず登場人物一覧を見直してしまった。本格ミステリファンには向かずとも、コージーミステリのファンならば大喜びの華やかで楽しい一冊。