FAIRY TALE

ハンドルネームは八尾の猫です。耽美と翻訳ミステリが大好きです。旧ブログはhttp://d.hatena.ne.jp/hachibinoneko/、メールアドレスはaae22500@pop21.odn.ne.jpです。

何か文句あるかしら/マーガレット・デュマス

何か文句があるかしら (創元推理文庫)

何か文句があるかしら (創元推理文庫)

 ドナ・アンドリューズが褒めているだけあって、彼女の作風に似ている。アンドリューズの「メグの鳥」シリーズ同様、ヒーローとヒロインも含め、登場人物のほとんどすべての行動がはっちゃけており、ユーモアに満ちている。あちらもこちらも、これほど奇妙な親戚と友人が揃っているのは、ヒロインの人徳(?)だろうか。
 チャーリーは三十四歳。小国の財政すら賄えるほどの大金持ち。ジャックというハンサムとスピード結婚し、故郷サンフランシスコに帰ってきたら、ホテルで全裸死体が見つかる。しかし、これはチャーリーを待ち受けるトラブルの発端に過ぎなかった。この後、チャーリーは従妹誘拐事件、ジャックの正体への疑惑、かつて金銭目当てに自分を誘惑してきたろくでなしとの再会、また別の殺人事件……と大小様々な奇禍に見舞われるのだから。
 よくも悪くも個性の強い小説で、このノリを楽しめるなら面白いはず。シリーズが進むにつれ、さらにヒロインの変な友人が増えていくことだろう。