輪廻/清水崇監督
- 出版社/メーカー: ジェネオン エンタテインメント
- 発売日: 2006/07/14
- メディア: DVD
- 購入: 2人 クリック: 40回
- この商品を含むブログ (77件) を見る
正直に言えば、『呪怨』よりも、この『輪廻』の方がずっと怖かった。これまでの人生に見た映画で「怖かった映画」のベスト10にランクインする。あらかじめ「怖い」と聞いていなかったから、余計に効いたかなあ。
三十五年前、群馬県のホテルで無差別殺人事件が発生し、十一人が生命を落とした。犯人は法医学教授、大森範久。動機は一切不明で、凶行ののちに彼は自害した。ちなみに彼が手に掛けた犠牲者の中には、彼の幼い娘や息子も含まれている。
やがてときは流れ、この事件を映画化しようとする監督、松村郁夫が現れた。この作品『記憶』のオーディションにあたって、彼は無名の女優、杉浦渚を大抜擢した。渚は戸惑いつつも、喜んだ。だが渚の喜びは、すぐに恐怖へと変貌した。このオーディション以来、渚は幼い少女の亡霊が見えるようになったからだ。撮影に入ってから知ったことだが、その少女は大森に惨殺された彼の娘だった。自分はこの少女の生まれ変わりでは、と思い悩む渚。
一方、女子大生の木下弥生は戸惑っていた。知らないはずのホテルが夢に頻繁に出てくる。弥生はボーイフレンドを通じ、「前世の記憶、しかも誰かに殺された記憶を持っている」と主張する女性、役者の卵である由香と面識を得る(ちなみに由香と渚は、『記憶』のオーディションで顔を合わせている)。由香は、自分はホテル無差別殺人の犠牲者の一人の生まれ変わりだと自称する。弥生は自分の夢の謎を解くべく、調査を始める。
怖い上に、無茶苦茶後味が悪い。正統派のホラー映画である。皆さん、「なぜこの人がこんな目に」という結末を迎えている。最後のあの人の行動も怖いよ。
実のところ、「怖い」とは聞いていなかったが、「結末に意外性がある」と聞いていたから、「この設定で意外性と言えば……」と、この「真相」については予想がついた。しかし予想がついても、やっぱり怖かった。
陳腐な小道具ではあるが、ホラー映画に出てくる人形は不気味な奴ばっかりである。鬱になってもいいから、恐怖を求めたい向きにお奨めの映画。ミステリ好きにもちょっとお奨め。
怖かった!