FAIRY TALE

ハンドルネームは八尾の猫です。耽美と翻訳ミステリが大好きです。旧ブログはhttp://d.hatena.ne.jp/hachibinoneko/、メールアドレスはaae22500@pop21.odn.ne.jpです。

呪怨/清水崇監督

 

 大勢の友達と見たならば、笑って見られる。ただし一人で見ると、死ぬほど怖い」というのが、実際にこの映画を見た友人の評だった。私は一人で見た。内心で怯えていたが、散々怖い怖いと聞かされ、覚悟を決めて見たせいか、実際に見てみるとそれほど怖くはなかった。怖いというより面白いというのが、本当の感想だ。
 ビデオ版と映画版で内容がストーリーが多少違うとのことだが、ビデオ版を見た。家以外にも惨劇は拡大していくのでこの表現は必ずしも正しくないかもしれないが、実におぞましい幽霊屋敷映画だ。
 なにを書いてもネタバレになりそうだから、なにを書いたらいいのかがよく分からない。伽耶子というストーカー気質の女、その女と息子が強い怨念を抱いたまま無残な死を遂げたことで、凄絶な呪いが人々の上に降り注ぐという物語である……が、これではほとんどなにも語っていないのと同じかもしれない。
伽耶子の呪いは生前に関わりがあったものだけに及ぶわけではない。それならさして怖くはない。客観的に見て大した関わりのない、ほとんど無関係といっていいものの上にすら及ぶ。
謎めいた幕切れも怖かったが(あの家庭になにが起こってるんだ)、もっとも怖かったのは二話目の学校を場面だ。人気のない、明かりの消えた学校、一人取り残された少女は、顔が真っ白の少年らしきなにかと遭遇する。
 続編もたんまりあるし、当分の間楽しめる。