FAIRY TALE

ハンドルネームは八尾の猫です。耽美と翻訳ミステリが大好きです。旧ブログはhttp://d.hatena.ne.jp/hachibinoneko/、メールアドレスはaae22500@pop21.odn.ne.jpです。

スリー・パインズ村と運命の女神/ルイーズ・ペニー

スリー・パインズ村と運命の女神 (ランダムハウス講談社文庫 ヘ 4-2)

スリー・パインズ村と運命の女神 (ランダムハウス講談社文庫 ヘ 4-2)

 ケベック州の小さな村スリー・パインズを舞台にしたガマシュ警部シリーズ第二作。のどかで平和なはずの村なのに、シリーズものの宿命でまた奇怪な殺人事件が発生する(そしてこれからも最後の巻まで止むことはない)
 序盤から中盤までは、やや冗長に感じられたし、登場人物のほとんどがシリーズキャラクターなので、「じゃあこの人達以外が犯人なんだな。容疑者が少ないよ」となどと思いながら読んでいた。しかし解決部分を知り、事件の構図の美しさに驚いた。前記のような欠点はあるものの、終盤の展開と事件の真相はまさに劇的。ちょっとだらだらした印象はあるが、この結末でずいぶんと点数を上げた。
 カーリングの試合の最中、凍てついた湖の上で、女性が感電のため死んだ。いるはずの目撃者は一人もいない。
 次の巻は降霊会絡みとのこと。これも楽しみ。