彼女らは雪の迷宮に/芦辺拓
- 作者: 芦辺拓
- 出版社/メーカー: 祥伝社
- 発売日: 2008/10/23
- メディア: 単行本
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森江春策シリーズの一作。古典的な「吹雪の山荘」ものかと思いきや、作者らしい狡猾なひねりがある。
謎の正体主から案内状を送られ、雪の山荘≪雪華荘ホテル≫に足を踏み入れた、七人の女。彼女達には性別以外の共通点はなく(周囲とうまくいかない女子高生から、離婚を決意した専業主婦まで実に様々)、招待主どころか従業員の姿もない建築物の様子に首を傾げていた。戸惑いつつホテルでの時間を過ごす彼女達の身の上に、やがて仰天するような事態が起こる。招待客が一人、また一人と姿を消していったのだ。
一方、東京の森江春策も戸惑っていた。ホテルにいったはずの七人の女(彼の助手の新島ともかもその一人だ)、その女の身内、例えば夫や父親や息子が、それぞれ大事な女の姿を追い、森江春策のところへと駆け込んでくるのだ。
ドタバタコメディと本格ミステリが融合した作品。本格ミステリ初心者よりも、すれっからしが読んで楽しむ作品だ。