昔むかしの物語/アリサ・クレイグ
- 作者: アリサクレイグ,Alisa Craig,宮脇裕子
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2000/05
- メディア: 文庫
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マドック&ジェネットのシリーズ、第五作。第一作の次に第五作を読んだら、二人の間に赤ちゃんまでいるのでびっくりした。
カナダの騎馬警官隊警部のマドックは妻ジェネットや娘ドロシーを連れ、英国ウェールズへと渡った。大伯父にして準男爵のサー・カラドックの九十歳の誕生日を祝うために。親戚達、そして隣人が館に集い、大騒ぎに。折しもときは五月一日、ベルテン祝祭の日。魔術から土地を守り、また豊作を願うため、人々が篝火の上を飛ぶという慣習がある祝日だ。
だが謎めいた亡霊が目撃され、生贄さながらに羊が屠られ、禍々しい雰囲気が館に立ち込める。やがて集まった人々が篝火の上を飛ぼうとしたとき、殺人事件が発生する。
と書くとなにやらゴシック小説や怪奇小説の要素が満点のようにも見えるが、そこはアリサ・クレイグなので基本はユーモアミステリである。あらすじを書きだした瞬間に思ったが、結構陰惨な館、それも死体が酷いことになっているであろう殺人事件に出くわしたにも関わらず、どことなく能天気なこの本の登場人物は凄いかも。オチには例によって例のごとくのあれがある。