FAIRY TALE

ハンドルネームは八尾の猫です。耽美と翻訳ミステリが大好きです。旧ブログはhttp://d.hatena.ne.jp/hachibinoneko/、メールアドレスはaae22500@pop21.odn.ne.jpです。

死の散歩道/キャロリン・G・ハート

死の散歩道 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

死の散歩道 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

 ヘンリエッタ・オドワイヤー・コリンズ。通称ヘンリー・O。六十代の元新聞記者。しきりに寄る年波を嘆いているけれど、若者より遥かにタフで心身ともに頑健。ときに強引とも感じられる態度で事件に頭を突っ込んでいく。マックス&アニーのシリーズよりユーモア成分に欠けるだけ、ややハードボイルド調で描かれるシリーズである。
 テキサス州サンアントニオ。ヒスパニック系の文化の強い都市だ。長年の友ジーナの孫娘の失踪を契機に、ヘンリー・Oはこの都市で著名なギャラリーを経営する一族の元へと飛び込む。行方不明となった娘アイリスはこのギャラリーで働いていた。この一族にはなにかあると気付いたヘンリー・Oは大部分の人間に疎ましがられながらアイリス失踪の謎、そして一族に隠された秘密を追う。
 ヘンリー・Oは行動力抜群でいいキャラクターだが、反面我が強すぎて自分勝手にも見える。しかしながら本作ではアイリスがさらに身勝手なので、目立ってない(褒めてない……)
 おおもとハッピーエンディングで後味がいい。