ナインスゲート/ロマン・ポランスキー監督
- 出版社/メーカー: ジェネオン エンタテインメント
- 発売日: 2004/06/25
- メディア: DVD
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稀覯本の発掘を主たる職務とする「本の探偵」コルソ。彼は悪魔学の専門家、そして熱烈な本のコレクター、バルカンから、『影の王国への九つの扉』という珍しい本について、奇妙な依頼を受ける。その本は、世界に三冊しかない。一冊はバルカン自身が所有している。だが残りの本の二冊、それらは本物なのかどうかを知りたい、と。高額の報酬に目が眩み、依頼を受けたコルソ。だが彼の周囲では、本の版画になぞらえた陰惨な殺人事件が発声する。彼の危機を常に救うのは、若く、強く、麗しい謎めいた女性だった。
このストーリー展開、このオチで二時間を越えるのはきつい。分かりきったストーリー展開、分かりきった結末だからだ。良き点はやはり物憂げな雰囲気、画面の比類なき美しさだろうか。『影の王国への九つの扉』の所有者の一人、没落した名家の末裔(おそらく最後の一人であろう)男性の、夜空に奏でる弦楽器の嫋々たる美しさ、その頽廃的なムードは比類ない。世にも稀少で、なおかつ世界を丸ごと変えてしまう忌わしい書物という小道具の使い方もいい。ストーリーもこれほど褒められたら良かったのだが。
長すぎるゴシックホラー映画。