FAIRY TALE

ハンドルネームは八尾の猫です。耽美と翻訳ミステリが大好きです。旧ブログはhttp://d.hatena.ne.jp/hachibinoneko/、メールアドレスはaae22500@pop21.odn.ne.jpです。

七番目の仮説/ポール・アルテ

七番目の仮説 (ハヤカワ・ミステリ 1815 ツイスト博士シリーズ)

七番目の仮説 (ハヤカワ・ミステリ 1815 ツイスト博士シリーズ)

 訳者のあとがきにあるようトリックが単純だし、最後まで読んでみると冒頭のみが浮いて見える(なぜわざわざここまで大仰なことをしなくちゃならないんだ)ので、色んなツッコミが浮かんでくるが、やっぱり抜群に面白い。
 下宿屋の老夫婦、そして巡査は愕然とした。ペスト患者と、彼を救うはずの三人の医師。患者は奇怪な消失をし、また現れた。老夫婦と巡査が目撃した事件も奇怪だったが、犯罪学者アラン・ツイストがある男から聞かされた物語もまたおかしなものだった。それは世間的には良きパートナーとされている二人の男の確執と、風変わりな決闘のお話だった。
 楽しい、楽しい、ミステリとして見たとき傑作『狂人の部屋』ほどの出来栄えではないものの読んでいてとても楽しかった。良き夏の風物詩である。来年の楽しみだ。