絞首人の手伝い/ヘイク・タルボット
- 作者: ヘイク・タルボット,森英俊
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2008/05/08
- メディア: 新書
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同じ作者の『魔の淵』も今一つ琴線に触れることのない作品だった。それにも関わらず『絞首人の手伝い』を購入したのは、嵐の孤島、不吉な伝説、呪いによって引き起こされた死、不可能犯罪といった各種の小道具が好みだったせいである。
が、この『絞首人の手伝い』も、やはり琴線に触れるところのない作品だった。雰囲気はいいのだが、解決部分に思わず首を傾げてしまう。この人を犯人だと言うのではあれば、もう少し伏線なりなんなりが必要だったのではないか。
嵐の夜、孤島の所有者クラーケン島の所有者フラントは、異父弟テスリン卿から呪いの言葉を受けた。性質の悪いただの冗談、そのはずだった。だがその瞬間、彼は倒れた。しかも亡骸は、数時間のうちに腐敗してしまったのだ。
水妖伝説の残る島、乗り込んできたのは賭博師探偵ローガン・キンケイド。最初は伏せていたものの、彼にはこの事件に絡みたがるある理由を抱えていた。そして彼もまた異様な滴りを持つ怪物(水妖?)に襲われるのだ。
雰囲気と謎の設定は抜群。解決も抜群であって欲しかった。ローガンを襲った怪物の正体にはちょっと笑った。確かに気持ち悪そうだ。