死は海風に乗って/パトリシア・モイーズ
- 作者: パトリシア・モイーズ,山本俊子
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 1984/04
- メディア: 新書
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ヘンリ・ティベット警視シリーズ一作である。テレビの二時間サスペンスのように「旅行に行けば殺人事件に巻き込まれる」もしくは「殺人事件の捜査にかこつけて観光地を回る」ヘンリ&エミーのティベット夫妻だが、今回はカリブ海の島へと向かう。
独立したばかりの新興国タンピカ。彼らが抱える問題の一つは、いずれ国のトップに立つだろうと目される駐米大使アイアンマンガーの妻メイヴィスの振る舞いだった。メイヴィスは素行がとことん悪く、ことに酒癖と男出入りの悪さは夫を含めた誰をも悩ませていた。やがて大使館のパーティーで醜態を見せたメイヴィスが殺される。タンピカ政府より依頼を受けたティベット警視はカリブのタンピカへと向かう。
旅行シーンが長すぎ。
ここに事件解決のヒントが隠されてはいるのだが、やっぱり長い。よほどカリブの観光地の描写をしたかったのかと思う。モイーズ女史がこの地域に思い入れがあるのたろうが(何度も舞台にしているし)もう少し短くていい。
ミステリとしての質はまあまあ。いつもながら安定している。