マッドアップル/クリスティーナ・メルドラム
- 作者: クリスティーナ・メルドラム,大友香奈子
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2012/09/27
- メディア: 文庫
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先月、と言うことは2012年9月に同じ東京創元社から出版された、ダイアン・ジェーンズ『月に歪む夜』もバーバラ・ヴァイン(=ルース・レンデル)を連想させられる、美しく不気味で物悲しいミステリだったが、この『マッドアップル』も同じだ。バーバラ・ヴァインが法廷劇を描いたら、こんな感じになるのでは、と思わせる物語だ。また他界とは隔絶されたような環境で、母親と二人暮らし、偏向した教育を受ける少女という設定は、扶桑社から出版されていたルース・レンデル『殺意を呼ぶ館』と共通点がある。
マッドアップルとは有毒植物チョウセンアサガオのことだ。このタイトルを含め、小タイトルを眺めているだけでも、陶然とするほどきれい。
母親と伯母、そしていとこを殺害したとして裁判にかけられている娘、アスラウグ。法廷に証人として呼ばれる人々の言葉が、そしてアスラウグの追想が、彼女が母親マーレンと送ってきた、孤独で奇妙な生活を蘇らせる。野草を食べ、薬草を煎じる暮らし。そんな巫女のような、あるいは魔女のような生活が終わりを告げ、ある宗教的な思想に染まった伯母やいとこ達との出会う。母親の秘密、そしてアスラウグの出生の秘密。そして事件が起きる。
結末がとても意外だ、というものではないので、過程を楽しむお話である。
お世辞にもとっつきやすいとは言えないが、不思議で美しい物語。
- 作者: ダイアン・ジェーンズ,横山啓明
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2012/09/11
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- 作者: ルースレンデル,Ruth Rendell,小尾芙佐
- 出版社/メーカー: 扶桑社
- 発売日: 1999/04
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- 作者: ルースレンデル,Ruth Rendell,小尾芙佐
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