霊の棲む島/カミラ・レックバリ
「エリカ&パトリック事件簿」シリーズ第七作。
アーロン・エルキンズ「スケルトン探偵」シリーズでも同じ気持ちを抱いたが、好きなシリーズの質が段々落ちていくのはまことに悲しいものがある。第六作目『人魚姫』でこのシリーズを読むのを止めようかと思ったが、新刊を見てやはり手に取ってしまった。
そして抱いた感想と言えば、やはりまず長い。このストーリーで六百ページ以上もいらない。
あとヒロイン、エリカの妹アンナの扱いがひどすぎるだろうと思う。エリカは順風満帆とは言えないまでもごく普通の人生を送っているのに、アンナが女性の人生に起こりうるであろうありとあらゆる不幸が襲い掛かってくるのが、あまりにも不憫である。
ストーリーはレックバリお得意の、過去の事件が現在に影響を投げかけてくるもの。『人魚姫』はともあれ、第五作『踊る骸』とこの第七作『霊の棲む島』はページ数をダイエットすれば通用する。島にまつわる過去のエピソードも良かった。
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