FAIRY TALE

ハンドルネームは八尾の猫です。耽美と翻訳ミステリが大好きです。旧ブログはhttp://d.hatena.ne.jp/hachibinoneko/、メールアドレスはaae22500@pop21.odn.ne.jpです。

ホーンティング 呪われた血の娘/ポール・シュナイダー監督

 まずはちょっとあらすじに触れる。
 幼い頃、ケイトリンは父母とともに灯台で暮らす幸福な少女だった。しかし惨劇は唐突に起き、少女から日常生活を奪った。母が惨殺され、父が犯人として逮捕されたのだ。父は正気を失い、ある施設で死んだ。時は流れ、大人になったケイトリンに一通の手紙が届く。それはかつて暮らした灯台が改修され、土地の観光の目玉として売り出されることになったというものだ。そしてケイトリンの前で再び惨劇が起こる。
 当方好みの「帰郷もの」、そして「憑かれた家(正確に言えば憑かれた灯台)」ものの作品なのだが、どうもいけない。
 頭の先から尻尾まで餡子が詰まった鯛焼きのように、舞台となる灯台からストーリー展開まですべてにチープさが詰まっている。ことに安っぽく感じられるのが、惨劇の舞台となる灯台で、いくら改修後とは言え、ホラー映画であのぴかぴかに赤く光っているペンキはないだろうと思わせる。
 つまらないと途中で投げ出すことも多い当方が最後まで見られたので、Z級ホラー映画ではなく、B級ホラーである。しかしB級ホラー特有の自由奔放さや、見るものを楽しませる突拍子もないアイディアも見当たらず、そのため全般的に「冴えなさ」のようなものが強く漂っている。
 前述の通り、最後まで見られたが、それだけの映画だったかもしれない。