本当にあった呪いのビデオ55／岩澤宏樹監督

出版社/メーカー: ブロードウェイ
発売日: 2013/12/06
メディア: DVD
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　恐怖映像を創造、もしくは発表せずにはいられないものたち、そしてそれを見ることを求めずにはいられないものたちの業を描き切った傑作。
　以前から関心はあったものの、なかなか見ることがなかった「本当にあった呪いのビデオ」シリーズである。これまで見ることがなかった理由は、現在2014年2月現在、本シリーズだけで55巻も出ているからで、その他スペシャル版、バージョンＸ版、THE MOVIEなど様々な作品があり、どれから手をつけたら良いか分からなかったからだ。
　とりあえず一番まとまりがいいだろうという理由で、劇場で放映された作品から手をつけた。『本当にあった呪いのビデオ　THE MOVIE』はいささか物足りなかったが、『本当にあった呪いのビデオ　THE MOVIE2』は、めちゃくちゃ怖いうえに、ミステリ趣向も見事に決まった傑作だった。
　この『本当にあった呪いのビデオ55』も、THE MOVIEという言葉は入っていないが、劇場版である。やはり、とても面白かった。『本当にあった呪いのビデオ　THE MOVIE2』ほどではないが、ミステリ的なある仕掛けがある。
　スタッフルームの外に仕掛けられた監視カメラに残った映像も含め、取材班にもとに集められた八つの映像。それらのほとんどすべてには、いるはずのない女の姿が映り込んでいた。取材班は、それぞれに分かれ、映像の謎を追う。だが、それらの映像は思わぬところで結び付いていた。
　女の正体と、彼女がなぜ怨霊となったか明かされて終わり、ではない。さらなる捻りが、それもスタッフにとっても、観客にとっても、双方にちって恐ろしい捻りが待ち構えている。
　ラストの映像、すごく怖かった。あの映像とあんな形でつながっているとは思わなかった。今のところ霊的被害はない。これからもありませんように。