冬の嵐/アーサー・ペン監督
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女性が館に監禁され、迫害を受けるというゴシックロマンめいた設定と、登場人物と舞台が限定されているという舞台劇を思わせる要素、当方が大好きなものが二つも入った映画。ちなみに主演のメアリー・スティーンバージェンは、この映画の中で三役を務めている。
真冬のニューヨーク。のっけから、犯罪に関わった(巻き込まれた?)若い娘が殺され、指を切り落とされるシーンから始まる。場面は変わり、若い女優ケイティが新聞記事を読み、オーディションを受けるため自宅を出る。彼女の容貌はひどく気に入られ、プロデューサーの大邸宅へと連れて行かれる。
機械仕掛けの家具や楽器だらけの屋敷に住む、プロデューサーを名乗る車椅子の男は、引退した精神科の医師だった。道楽で映画を撮影するという。だが、なにかがおかしい。ケイティの身分証明書は焼かれ、髪の色やスタイルは変えられ、決して車は動かず、電話は不通という有り様だ。少しずつケイティの逃げ場は失われていく。ある朝、起きると、ケイティの指は切り落とされていた。ケイティは脱出を試みる。
一方、ケイティの夫や弟も不審を感じ、彼女を探すべく追跡を試みていた。
真綿で首を締めるようにじりじりと、ヒロインを危機へと落とし込んでいく描写が素晴らしい。
小道具で言えば、金魚の使い方は気が効いている。車椅子の医師の心拍と繋がっているというピアノ(彼の感情が激しく動けば、音楽を奏でる)は、もっと積極的に活用して欲しかった。最後の「切断された指を隠したヒロインの変装」もいい。
ロバート・シオドマク監督『らせん階段』と並び、ゴシックサスペンス映画の一つの理想形。
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