ローズ・レッド/クレイグ・R・バクスリー監督
- 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
- 発売日: 2007/10/12
- メディア: DVD
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オリジナルの脚本を、スティーヴン・キングが書いたTV映画。そのせいか、254分という大変長い代物に仕上がっている。
お話は正統派のゴシックホラーで、過大な期待は禁物ながら、そこそこ楽しむことができた。やってくるものたちを見下ろすように佇む前庭の子鬼の像を含め、寂びれかけた屋敷がとにかく美しい。
「ローズ・レッド」。それは足を踏み入れた男は殺し、女は神隠しにするという幽霊屋敷。元は往年の実業家ジョン・リンバウワーが年若い妻エレンに、結婚のプレゼントとして建てたものだ。だが当のジョンは館から墜死し、夫妻の幼い娘エイプリルは失踪し、たった一人の息子アダムのみが生き伸びた。霊能者からのお告げをうけたエレンは、この屋敷の部屋数をひたすら増やし続けることに決めた(このくだりは、アメリカに実在する、ウィンチェスター・ミステリー・ハウスがモデルになっている)。そして結局妻エレンも老齢になってから失踪した。
ジョンとエレン夫婦のひ孫の代スティーヴになって、この「ローズ・レッド」も取り壊されることが決まった。しかし、その前にみの「ローズ・レッド」を研究しておきたい人間がいた。超常現象を研究する美しい女性学者ジョイスだ。
人から放たれるエネルギーを糧としているのか、人の出入りが禁止されてから、「ローズ・レッド」の超常現象は途絶えていた。ジョイスはこの危険な屋敷を目覚めさせるため、六人の超能力者を雇い、ジョイスの恋人で、リンバウワー家の末裔スティーヴとともに足を踏み入れた。
しかし、それは恐怖の幕開けだった。ジョイスの思惑通り、「ローズ・レッド」は再び目覚めた。だがこの家は、彼らを閉じ込め、そしてそのエネルギーを絞り取るべく、幻影を見せ、危害を加え始める。一人、また一人と彼らは生命を落としていく。彼らのうち誰が生き伸びることができるのか。
前述の通り、屋敷の外観が美しい。そして、ある惨劇の真相も面白い。
気になる点は、集められた六人全員が超能力者という設定にも関わらず、自閉症でサイコキネシスの力持つ少女アニーのそれ以外ほとんど活用されていなかったというのは残念な点だった。他の五人の超能力も、もっと効果的に使ってほしかった。
それに正直この館を取り壊し、別の建物を造ったとしても、そこもまた幽霊屋敷になりそうな気がするのだが。
ウィンチェスター・ミステリー・ハウスのWikipediaはこちら
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A6%E3%82%A3%E3%83%B3%E3%83%81%E3%82%A7%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%83%9F%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%83%8F%E3%82%A6%E3%82%B9