ベストセラー/イ・ジョンホ監督
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これはあえてジャンルは語りますまい。失礼ながら、とりたてて期待せずに見たのに、なかなか面白かった。
ベストセラーを頻発する女性作家ペク・ヒス。ところがある日、盗作疑惑をかけられ、激しいバッシングを受ける。大学講師との夫とも別居することになった。二年後、再起を図るため、ヒスは幼い娘ヨニを連れてソウルを離れることとなった。
向かった先は、鄙びた村。若者のほとんどが都会に出てしまうという。ヒスがヨニとともに滞在することになったのは、湖畔に佇む西洋館だ。かつてアメリカ人の宣教師が建てた館だという。執筆に専念するヒスだが、やがて奇妙なことに気付いた。
ヨニが、誰かと会話をしている様子なのだ。ヨニに尋ねると、ヒスには見えない「お姉さん」がいて、話を聞かせてくれたり、歌を教えてくれたりするという。やがてヒスはヨニの話を基に、新たな作品を完成させる。しかし、それもまた盗作だと世間から言われるのだ。ヒスは湖畔で起こった女性失踪事件の謎とその解決を書いたのだが、以前にもそれとまったく同じ内容の作品を書き上げた男性小説家がいるという。
ヒスは狂おしい気持ちを抱えながら、自分の置かれた状況を探ろうとする。
ヒロインのヒステリックで神経質な様子にややついていけないものを感じていたが、これも伏線といえば伏線だったのだろう。ところどころで見られる筋のひねりに感心。唯一の気にかかる点と言えば、くだんの男性小説家は、「ラストで危うくヒロインが辿るはずだった運命を、辿ってしまった」んだよね。
思わぬ拾い物。ミステリもしくはホラー映画ファンにちょっとお勧め。