レコード/フェルナンド・ルナ監督
- 出版社/メーカー: トップ・マーシャル
- 発売日: 2012/01/20
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字数の関係で入りきらなかったが、正式には『レコード〜シッチェス別荘殺人事件〜』フェルナンド・バレーナ・ルナ監督である。
スペインの映画。今やすっかり定番の手法となったフェイク・ドキュメンタリーものの映画である。最初から、シッチェスという豪奢な別荘で、なにやら殺人事件があったらしいことは示されている。
そして時間は巻き戻り、ある一家とペットの愛犬がシッチェス山荘へと向かう場面が映し出される。両親と三人の子供。上の兄妹と、一番年下の幼い弟とはおそらく年齢が十歳以上離れている。上の兄妹は、都市伝説を熱心に研究しており、自分達の研究成果を記録として残すのが好きだ。
シッチェス山荘付近にも、伝説があった。シッチェス山荘を取り囲む鬱蒼とした森。この森の中で迷ったものの前に、メリンダという少女の亡霊が現れ、道を教えてくれるというのだ。しかし善良な霊かと思いきや、メリンダには背を向けると殺されるという邪悪な側面があるとも言う。兄妹は森を撮影し、メリンダ伝説について語ってくれる証人を撮影する。
だが森で、愛犬が消え、幼い弟が消えた。やがて兄妹の上にも危機が迫る。
「なぜ君達は、そんなときにも撮影機具を持って走るんだ?逃げ遅れるぞ」という最大の疑問の一つが最後まで解決されなかった映画。多分フェイク・ドキュメンタリーをやりたかったからという理由しかないだろう。もう一つの大きな疑問は、なぜこの殺人事件が迷宮入りしそうになっているかである。はっきりと映っているではないか。
ホラーで落とすか、ミステリで落とすか、とひょっとして曖昧なエンディングになるのか……と案じていたら、しっかりとした結末が用意されていた。
この結末はいい。いいのだが、あまりに見せ方が唐突である。この見せ方のまずさゆえ、この結末が本来持つべきショッキングさ、殺されたものたちが感じたであろう恐怖がだいぶ薄まって感じられる。
この素材をもっとうまく料理してほしかった。