FAIRY TALE

ハンドルネームは八尾の猫です。耽美と翻訳ミステリが大好きです。旧ブログはhttp://d.hatena.ne.jp/hachibinoneko/、メールアドレスはaae22500@pop21.odn.ne.jpです。

エクソシズム/マヌエル・カルバージョ監督

エクソシズム [DVD]

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 近頃、レンタルDVD店へ足を運ぶと、よく似た名前のタイトルのものをよく見かける。スペイン製の、このマヌエル・カルバージョ監督『エクソシズム』、スウェーデン産のフレードリク・ヒラー監督『ザ・クロス エクソシストの闇』、アメリカで撮られたミカエル・ハフストローム監督『ザ・ライト エクソシストの真実』。
 結果から言うと、当方はマヌエル・カルバージョ監督『エクソシズム』、フレードリク・ヒラー監督『ザ・クロス エクソシストの闇』を借り、後者はストーリーについていけなくて途中で投げ出した。
 マヌエル・カルバージョ監督『エクソシズム』は最後までわくわくしながら見た。
 悪魔に取り憑かれ、尋常ならざる振る舞いをするものを、神父が生命を張って悪魔を祓い、救い出すエクソシストの物語。スコット・デリクソン監督『エミリー・ローズ』では、「エクソシスト」ものに、「法廷劇」の要素を加え、新機軸を打ち出していた。
 このマヌエル・カルバージョ監督『エクソシズム』では、神父が悪魔に取り憑かれたかもしれない少女を救う物語に、やはりひとひねり加えてある。伏線自体が結構分かりやすいので、途中で真相を察するものも多いかもしれないが、それでも楽しめた。
 十五歳の少女エマは、満たされない日々を送っていた。元々難しい年齢でもあるが、両親の教育方針によって普通の学校に通うことを許されず、両親から勉強を学んでいたのだ。友人関係も厳しく監視されている。ある日、エマは痙攣を起こして倒れる。しかし病院での検査で異常は見られなかった。しかしエマの言動はさらに奇矯になっていき、その発言は家族や友人の絆を危ういものへとさせていく。エマは自分に「悪魔が取り憑いた」と主張し、叔父のクリスに助けを請う。しかし両親はそれをためらう。もともと悪魔憑きというのが信じられなかったし、おまけにクリスはかつてエクソシズムの失敗で他の少女を死なせており、世間から非難を浴びていたのだ。
 結局クリスはエマに対し、エクソシズムを行うことにする。ただし、自分のなすことすべてをきちんと録画しておいてほしいと、クリスはエマの両親に言明する。
 クリスはエマを椅子に固く縛りつけると、カメラの前でエクソシズムを続けた。何日も。
 暗澹たる真実に対し、最後にエマが取った行動が魅力的だ。
 内容にはあまり関わりのない結びかもしれないが、ウィリアム・ピーター・ブラッティ監督の『エクソシスト3』を安価で皆が手が取れるようにしてもらえないだろうか。見たことはないのだが、傑作という噂だ。

ザ・クロス ?エクソシストの闇? [DVD]

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