ロザムンドの死の迷宮/アリアナ・フランクリン
- 作者: アリアナ・フランクリン,吉澤康子
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2011/05/28
- メディア: 文庫
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凄く面白かった。シリーズ第一作『エルサレムから来た悪魔』もそこそこ面白かったが、シリーズ第二作である『ロザムンドの死の迷宮』はさらにエンターテイメントとしての質が高まっている。
歴史小説及び冒険小説の趣が強く、アデリアとその一行は縦横無尽に動き回るが、その代わり今回はあまりアデリアの検死のシーンがない。
十二世紀、イングランド。女医という職を失わないため、恋人ロウリーとは結婚せず、愛娘アリーをもうけたアデリア。平和に暮らしていた彼女だが、当のロウリーに呼び出され、こう告げられた。イングランド国王ヘンリー二世の愛妾ロザムンドが毒殺された。第一容疑者はイングランド王妃エレアノール。このままではヘンリー二世が収めたはずの内乱が再び起きかねない。ロウリーは医師としてのアデリアの力を借りるためにやってきたのだ。だがロザムンドが死んだ塔は、巨大な迷路の中。しかも迷路の中には罠が潜んでいる。問題は山積みであるにも関わらず、死体に対面する前に、アデリア達は大きな危難を強いられるのだ。
この迷路をアデリア一行がさ迷うシーンが、とても楽しい。前作に引き続いて奸智と偉大さをともに感じさせるヘンリー二世、この作品で初めて読者の前に姿を現し、気位の高さと意志の強さをともに感じさせる王妃エレアノールが主役達を食いかねないほどの存在感を放っている。
アリアナ・フランクリンの逝去が惜しまれる。書かれているシリーズは四作、ということは翻訳されていない作品はあと二作。ぜひともそちらも邦訳してもらいたい。
- 作者: アリアナ・フランクリン,吉澤康子
- 出版社/メーカー: 東京創元社
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