罪深き夜の館で/シャロン・ペイジ
- 作者: シャロン・ペイジ,鈴木美朋
- 出版社/メーカー: 二見書房
- 発売日: 2010/11/22
- メディア: 文庫
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著者紹介によると、作者シャロン・ペイジは「エロティック・ロマンスの新女王」と評されているらしい。物語のほとんどが、上流階級の人々が密に集う、背徳的でみだらなパーティーの最中に進行するようだから、「官能場面ばかりに頼った、女性向けポルノグラフィー」だったらどうしようかと思っていたが、これが予想していたよりも(というとずいぶん失礼な言い草になってしまうが)、はるかに面白かった。
失踪人探しと窮地に陥ったものたちの救出、敵からの攻撃と主人公側からの反撃などがもたらすサスペンス、そしてもちろんヒーローとヒロインの恋愛関係もしっかり楽しめる。そして、官能場面もしっかりと書き込まれている。
一八一八年、ロンドン。ジェインは、彼女を虐待する、はるか年上の夫を火事で失った若き未亡人だった。ジェインは、失踪した親友デルの身の上を案じていた。デルはジェインと同様、はるか年上の男と結婚しており、しかもその夫もデルを虐待していた。
上流階級の秘密パーティーが、デルの失踪になにか関わりがあると踏んだジェインは、果敢にもパーティーに潜入しようとする。そこで思わぬ再会を遂げた男性がいた。デルの兄、ジェインの心にずっと住んでいたクリスチャンだ。二人はデルを探すため、パーティーに潜り込む。
そしてデルの行方を追い求める彼らの、生命を狙うものが現れた。
サスペンス、ロマンス、エロスの三要素がしっかり楽しめる作品。初めて読んだ作家だが、面白かった。