FAIRY TALE

ハンドルネームは八尾の猫です。耽美と翻訳ミステリが大好きです。旧ブログはhttp://d.hatena.ne.jp/hachibinoneko/、メールアドレスはaae22500@pop21.odn.ne.jpです。

竜の子爵と恋のたくらみ/サブリナ・ジェフリーズ

竜の子爵と恋のたくらみ―背徳の貴公子〈2〉 (MIRA文庫)

竜の子爵と恋のたくらみ―背徳の貴公子〈2〉 (MIRA文庫)

 <背徳の貴公子>シリーズの第二作目。登場人物達の名前に見覚えがあると思ったら、この作品は「淑女たちの修養学校」シリーズの中の一冊、『公爵のお気に召すまま』の前日譚だ(そちらでは、ルイーザとサイモンが、ヒロインとヒーローになっている)
 <背徳の貴公子>の三作目にして最後の作品、『麗しの男爵と愛のルール』は今一つ締まりのない作品だったが、この『竜の子爵と恋のたくらみ』は、その他のサブリナ・ジェフリーズの作品と同様、面白かった。『麗しの男爵と愛のルール』のみが外れだったようだ。
 伊達男の多い作者の描くヒーローの中にあって、この作品に登場するドレイカー子爵マーカスの武骨な魅力は際立っている。彼と、氷の美女、つれなき美女と呼ばれるヒロイン、レジーナとの「美女と野獣」めいたロマンスも、新鮮で良かった。
 摂政皇太子の私生児の一人、ドレイカー子爵マーカス。彼は摂政皇太子ならび、人妻であるにも関わらず摂政皇太子の私生児を産んだ母親からの仕打ちにより、妹ルイーザ以外に心を閉ざし、領地に引きこもって生活していた。
 マーカスは、摂政皇太子並びに彼の取り巻きが憎かった。ところが摂政皇太子の腹心の部下、フォックスムア公爵サイモンがルイーザと交際したがっていた。摂政皇太子にさらに取り入るためだ。
 猛反対するマーカスのもとに、サイモンの妹、絶世の美女レジーナが現れる。兄とルイーザの恋路を応援するため。レジーナを脅かすため、マーカスは二人の交際を認める代わり、自分と付き合えと迫る。
 嫌がらせのつもりだったが、二人は本当に付き合うようになり、やがて己に否定できないほど惹かれ合っていく。
 最高にロマンティックな一冊。

公爵のお気に召すまま (扶桑社ロマンス)

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黒の伯爵とワルツを―背徳の貴公子〈1〉 (MIRA文庫)

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麗しの男爵と愛のルール―背徳の貴公子〈3〉 (MIRA文庫)

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