FAIRY TALE

ハンドルネームは八尾の猫です。耽美と翻訳ミステリが大好きです。旧ブログはhttp://d.hatena.ne.jp/hachibinoneko/、メールアドレスはaae22500@pop21.odn.ne.jpです。

誘惑のルール/サブリナ・ジェフリーズ

誘惑のルール (扶桑社ロマンス)

誘惑のルール (扶桑社ロマンス)

 サブリナ・ジェフリーズの小説を読むのは二冊目だが、私の中ではすでに彼女はヒストリカルロマンスの四天王(他のメンバーはリサ・クレイパス、カーラ・ケリー、メアリー・ジョー・パトニー)に決定した。セクシーで、ロマンティックで、いかにもロマンス小説らしい華やかな雰囲気を持つ作者である。ストーリー自体もとても面白い。
 「淑女たちの修養学校」の第一作目で、のちにヒーローをつとめる「スコットランドの怪盗」も終盤に顔を出す。イングランド国王ジョージ三世が病に陥り、皇太子であるジョージが摂政皇太子をつとめた十九世紀初めの英国(ヒストリカル・ロマンスの世界では、この時代を舞台にしたものはリージェンシー・ロマンスと呼ばれて人気がある)。
 アメリアは、多大な資産を持つ令嬢たちが道を違わぬよう作られたハリス夫人の修養学校の生徒の一人。伯爵令嬢という身分でありながら冒険心あふれるアメリアは、ある日アメリカ軍人であるルーカスという男性と知り合った。ルーカスがなんらかの捜査で、アメリアの愛する継母ドリーを調べていると知ったアメリアは、ルーカスを誘惑することでそれを阻止しようと試みる。ルーカスもドリーのことを追うためにアメリアに近付くが、二人の恋愛遊戯はやがて本心からのものへと変わる。
 前述の通り、セクシーで、ロマンティックで、華やか。「スコットランドの怪盗」の介入のタイミングや、ヒーローが隠していた秘密もよし。
 このシリーズ、最終巻はきっとハリス夫人と、彼女の謎の後援者とのロマンスになるんだろうな。

スコットランドの怪盗 (扶桑社ロマンス)

スコットランドの怪盗 (扶桑社ロマンス)