FAIRY TALE

ハンドルネームは八尾の猫です。耽美と翻訳ミステリが大好きです。旧ブログはhttp://d.hatena.ne.jp/hachibinoneko/、メールアドレスはaae22500@pop21.odn.ne.jpです。

宿命の絆に導かれて/コニー・ブロックウェイ

宿命の絆に導かれて (ライムブックス)

宿命の絆に導かれて (ライムブックス)

 マクレアン三部作のシリーズ二作目。三作目にしてシリーズ最終巻の『至上の愛を』は、作者が変わってしまったかのようにつまらなくなるが、前作『美しく燃える情熱を』とこの『宿命の絆に導かれて』は傑作。しかもクライマックスでは、「城の炎上と、死んだはずの妻の出現」というシーンがあり、ますますゴシックロマンらしい展開に。
 悪漢カー伯爵の策略により滅ぼされてしまったスコットランドの名門マクレアン一族。しかし生き残った人々はカー伯爵を滅ぼし、一族を再興しようと策を巡らせていた。
 マクレアン一族の娘、フェイバーはそんな人々から道具として扱われていた。彼女はカー伯爵の亡妻ジャネットの生まれ変わりを装い、彼に近付く。策略の一環としてフェイバーとその一味は、一人の男性を牢獄から脱獄させた。脱獄させる囚人は、ほとんど誰でも良かった。だがフェイバー達は知らなかった。その男性こそが、カー伯爵次男で無実の罪で投獄されていたレインだったことに。
 フェイバーとレイン、二人はカー伯爵の城、ワントンズ・ラッシュで運命の再会を果たす。
 実にドラマティックで読み応えがある。シリーズ最終巻の『至上の愛を』でのパワーダウンがなんとも惜しまれる。

至上の愛を (ライムブックス)

至上の愛を (ライムブックス)

↑なぜか別人のようにつまらなくなってしまう最終巻。どうしたんだ、ブロックウェイ。