FAIRY TALE

ハンドルネームは八尾の猫です。耽美と翻訳ミステリが大好きです。旧ブログはhttp://d.hatena.ne.jp/hachibinoneko/、メールアドレスはaae22500@pop21.odn.ne.jpです。

ハイランドで月の女神と/カレン・マリー・モニング

ハイランドで月の女神と (ヴィレッジブックス)

ハイランドで月の女神と (ヴィレッジブックス)

 ロマンス小説には、ヒーローとヒロインの恋愛を盛り上げるため、様々な障害が出てくるが、この『ハイランドで月の女神と』に出てくる障害は時間である。タイムトリップを扱ったパラノーマルもので、呪いをかけられた王子様(領主様)を、一人の乙女が救う物語である。
 アメリカ人の若い女性グウェンは、旅行で訪れたスコットランドの洞窟の中で、一人の魅惑的な男性と知り合う。グウェンのせいで、長い長い眠りから目覚めた彼は、自分を五百年前にハイランドを治めていた領主ドゥルスタンだと名乗った。彼をハンサムな狂人だとみなすグウェン。しかしドゥルスタンの言葉は真実だった。彼はある予言を恐れた占い師によって、永遠に続くはずだった眠りにつかされていたのだ。どうにか己の時代に戻ろうとするドゥルスタン。
 彼と恋に落ちたため、グウェンは現代と五百年前、二つの時代を行ったり来たりする羽目になる。
 清々しいほど強引なストーリー展開で、ラストはハッピーエンディング。初めて読む作家だが、癖がなくて読みやすい。