キングの死/ジョン・ハート
- 作者: ジョンハート,John Hart,東野さやか
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2006/12/01
- メディア: 文庫
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『ラスト・チャイルド』で瞠目したジョン・ハートのデビュー作。
主人公が鬱陶しい。『川は静かに流れ』でも主人公に苛々させられたが、この作品の主人公、ワークことジャクソン・ワークマン・ピケンズにはさらに苛々とさせられる。
かつての恋人ヴァネッサに対するその態度はなんだ。
妹ジーンの同性の恋人アレックスに対するその態度はなんだ。
今それほど懊悩するのなら、父親が生きてるときにきっちり対決しておけ。
と、まあ主人公にはつっこみたい箇所だらけだが、この本そのものは面白かった。しかも読み進めれば読み進めるほど面白くなり、大団円を迎えると、主人公へと苛立ちもちょっと減る。ほんの少しだけだが。
弁護士のワークは、辣腕弁護士である父親エズラに人生を支配されて暮らしてきた。エズラばかりではない、ワークの妹のジーンもだ。エズラは兄妹の母親が死んだのち、姿を消した。一年以上の時間が経過したのち、エズラは他殺死体で発見される。
ワークは哀しみを感じなかったが、不安は覚えた。それは情緒不安定なジーンが、エズラを手にかけたのではないかと考えたからだ。ワークは妹を守り通そうと試みる。しかし警察は、ワーク本人をエズラ殺しの容疑者として疑いをかける。本当にジーンが父を殺したのか、そして警察はワークを逮捕するのか。
『ラスト・チャイルド』でも思ったが、この著者は「知ってみれば単純な事実」を複雑そうに書き、読者を惑わせるのが凄くうまい。
エピローグを読み、各登場人物のその後の幸福を素直に祈る。
- 作者: ジョン・ハート,東野さやか
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2009/02/06
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ラスト・チャイルド (ハヤカワ・ポケット・ミステリ 1836)
- 作者: ジョン・ハート,東野さやか
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2010/04/09
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