死と踊る乙女/スティーヴン・ブース
- 作者: スティーブン・ブース,宮脇裕子
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2006/07/27
- メディア: 文庫
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- 作者: スティーブン・ブース,宮脇裕子
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2006/07/27
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「ベン・クーパー&ダイアン・フライ」シリーズ二作目。
陰鬱さと力強さがないまぜになった魅力は相変わらず、いやいっそう増している。職業、家族、農場……己が必要とし、そして必要とされていると信ずるものを守ろうとあがき、失い変わっていく様子を描いている。出てくる人間の数だけ、大切なものを失い、もしくは手放したものが辿り着く未来が示されるのだが、その大部分は「末路」と表現したくなるような暗いものである。しかし読ませる。
荒野にそびえたつ遺跡<九人の乙女岩>。ここで女性の顔面が傷付けられるという事件が発生し、そののち別の女性が殺害された。<九人の乙女岩>にまつわる伝説さながらに、踊るような体勢を取らされて。
連続女性傷害・殺人事件に挑むのはベン・クーパー刑事と、ダイアン・フライ臨時部長刑事。それぞれの個人的な事情を抱えつつ、ベン・クーパーは相変わらず純朴で仕事熱心であり、ダイアン・フライは出世して張り切っている。『黒い犬』を読んだとき、「シリーズの次の作品では絶対にお話の表舞台に出てくるだろう」と考えていたキム・アームストロング警部が今回もほぼ名前のみの登場で残念である。
ちなみに本書が出版されたのは、二〇〇六年七月だが、それ以来このシリーズの新作は日本では出ていない。
東京創元社さん、絶対買うからぜひとも続巻を出して下さい。
- 作者: スティーヴンブース,Stephen Booth,宮脇裕子
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2003/08
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