FAIRY TALE

ハンドルネームは八尾の猫です。耽美と翻訳ミステリが大好きです。旧ブログはhttp://d.hatena.ne.jp/hachibinoneko/、メールアドレスはaae22500@pop21.odn.ne.jpです。

死者の館に/サラ・スチュアート・テイラー

死者の館に (創元推理文庫)

死者の館に (創元推理文庫)

 『狡猾なる死神よ』に続く、芸術史家スウィーニーのシリーズ、第二作。ミステリ部分は可もなく不可もなくといったところだが、スウィーニーがあまりにも複数の男性の間をふらふらして態度をはっきりさせないことと、魅惑的な男性生徒に対し、女性生徒よりも甘いということが分かったため、ヒロインに対する点数が下がった。
 ハーバード大学で芸術史を教えるスウィーニー。彼女は墓石や服喪用装身具を専門に研究している。ある日、彼女のゼミの男子生徒の一人ブラッドリーが殺された……死体の傍らにあったものは、服喪用装身具のブローチ。ブラッドリーは名門パトナム家の出身で、数年前にはブラッドリーの弟ピーターがやはり不審な死を遂げていた。スウィーニーは学識と行動力を頼みに、ブローチの謎と、パトナム家やその周囲で続く奇妙な事件の真相とを、解き明かそうとする。
 ミステリ部分は前述の通り、まあまあ。服喪用装身具に関する蘊蓄は、それが死と絡む装身具という特殊性もあって、興味深い。

狡猾なる死神よ (創元推理文庫)

狡猾なる死神よ (創元推理文庫)